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「つなぐ棚田遺産」認定箇所数全国トップクラス! 原風景を思わせる長野県の棚田へ

山あいの傾斜地に一枚一枚整備された、階段状の棚田。
そこには、郷愁を誘う日本の原風景としての美しさとともに
丁寧に細やかに稲を育ててきた人びとの思いが映されています。

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参照:農林水産省「つなぐ棚田遺産~ふるさとの誇りを未来へ~の選定について」☞詳細


各オーナー制度の内容やイベントの内容、募集状況等は変更となる場合がございます。最新の情報は、各市町村等にお問い合わせください。

長野県が誇る美しい景観
─山あいにつらなる千枚田

山国・長野県の人々は、昔から厳しい環境を切り開きながら、農産物を育て、日々の暮らしを営んできました。小さな山間に連綿と続く、棚田の風景は、そうした長野県の歴史や生活を、今に伝える貴重なスポット。「米を育てる」という場所としてだけでなく、景観の美しさや水源のかん養、伝統文化の継承など、多彩な側面から、その価値は今、大きく見直されようとしています。
長野県内には、平安時代から知られる「姨捨の棚田」や地域一丸となって活性化を図る「稲倉の棚田」、戦国時代から続くといわれる「千代よこね田んぼ」など、魅力的な棚田がたくさん。農林水産省による「つなぐ棚田遺産~ふるさとの誇りを未来へ~」には15ヵ所が選定され、その数は全国3位です。ふと訪ねた地域の山あいに車を走らせるうちに、見事な千枚田と出合うこともあるでしょう。
水の張られた田植え前の姿から、青々と若稲が揺れる夏、実りの秋へと、移り変わる季節に応じて、棚田はいくつもの表情を見せてくれます。市街地から山里へと少し足を伸ばして、お気に入りの景色を見つけてみませんか。

飯田市の千枚田「千代よこね田んぼ」では、2016年からオーナー制度も実施しています(写真提供 千代地区まちづくり委員会)

長野県の棚田といえば、田毎の月の姨捨の棚田

JR篠ノ井線「姨捨駅」にほど近い、標高460~560mの傾斜地に約1500枚もの棚田が続く「姨捨の棚田」。ここは、国の重要文化的景観にも選ばれた、長野県を代表する棚田スポットです。姨捨の棚田の魅力は、「蓑・菅笠の下に隠れる」とたとえられるほど小さい一枚一枚の田が、幾重にも折り重なるようにして、雄大な景観を形づくっていること。それが眼下に広がる千曲川や善光寺平の街々と相まって、息を飲むような絶景となっているのです。
松尾芭蕉や小林一茶ら俳人の句にも、その名は登場します。田植え前の時期、水を張った田んぼに満月が映り込む様は、戦国時代から「田毎の月」として愛されていたほど。いにしえの旅人の目には、山路の薄闇で幾千にも輝く水面の月は、どんなに明るく輝いて見えたことでしょう。今も5~6月のシーズンになると、多くのファンや写真愛好家がこの地を訪れ、シャッターチャンスを狙います。

善光寺平の夜景も相まって美しい姨捨の棚田(写真提供 千曲市観光局)

棚田×最新アクティビティで
これまでにない体験を

上田市殿城地区の山間では、江戸から明治期に開墾されたとされる大小さまざまの田が連なり、美しい景観を生み出しています。ここ「信州稲倉の棚田」は、保全委員会をはじめ、多くのボランティアや行政が一体となって、その維持・管理や活性化に力を注いでいます。
小中学校からの農村体験学習の受け入れや棚田オーナー制度なども、取り組みのひとつ。実際の農作業に触れてもらいながら、地域内外を問わず、棚田に親しんでもらおうという試みです。お盆の時期には、千本のろうそくを棚田に灯す「ししおどし」を開催。宵闇が迫る棚田のなか、いくつもの小さな炎が市街地の夜景とつながるように幻想的に揺れる様は、訪れる人の心をとらえてやみません。 ほかにも、水を張った田んぼで泥んこ遊びをする「泥んこASOBI」や収穫後に稲わらや枯葉を集めて焚火をしイモやマシュマロを焼く「焼芋FIRE」など、年間を通じて多彩なイベントを開催。営農時期外の田んぼにテントを張る「棚田CAMP」など、ユニークなアクティビティも体験できます。

棚田CAMPの様子(写真提供 信州上田 稲倉の棚田)

この先の未来へ
棚田のある風景を残すために

美しい景観の一方で、棚田での農作業は平地に比べて「労力2倍、収量半分」と言われるほど、大変なもの。高齢化や過疎化により、棚田の維持・保全はさらに大きな課題です。一部で行われている「オーナー制度」「保全メンバー制度」は、そうした課題に応える試みです。 姨捨の棚田では、1年・3年のコースを選ぶ「棚田貸します制度」を実施。自分で田を管理し、田植えから脱穀まで体験できる「体験コース」か、農作業は自由参加で棚田保全のための支援を行う「保全コース」が選べます。いずれも農作業の経験は問いません。
飯田市の千枚田「千代よこね田んぼ」では、専属の田んぼを持つ「マイ田んぼオーナー」、区画を限らない「パートナー会員」、日本酒用の酒米(たかね錦)の栽培体験や酒蔵見学に参加できる「たかね錦オーナー」、企業向けの「企業オーナー」の4プランを用意します。
「稲倉の棚田」では、通常の棚田米オーナーと酒米オーナーが用意されています。
オーナー制度は美しい棚田を未来に残す取り組み。ぜひ参加してみませんか。

稲倉の棚田では早乙女による
田植え神事も行われます(写真提供 信州上田 稲倉の棚田)

●つなぐ棚田遺産~ふるさとの誇りを未来へ~に選ばれた棚田

長野市「根越下沖の棚田」
長野市「大西の棚田」
長野市「田沢沖の棚田」
長野市「栃倉の棚田」
上田市「稲倉の棚田」
飯田市「よこね田んぼ」
伊那市「山室の棚田」
伊那市「中尾の棚田」
飯山市「福島棚田」
千曲市「姨捨の棚田」
中川村「飯沼の棚田」
麻績村「市野川棚田」
白馬村「青鬼の棚田」
小谷村「小谷村棚田群」
野沢温泉村「野沢沖の棚田」

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