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親子の感性と絆を育む絵本館・美術館 児童文学をめぐる長野の旅

子どもと一緒に絵本を開く時間は、かけがえのないひととき。
毎日の読みきかせもよいですが、休日は少し贅沢に絵本トリップはいかがでしょうか。
子ども連れにおすすめの絵本館、美術館などをご紹介します。

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長野県に絵本文化あり

絵本をテーマに、親子でお出かけを計画してみませんか? 日本一の美術館・博物館数(※1)を誇る長野県には、絵本や童話など〝児童文学にまつわる美術館〟も豊富です。その背景には、童話に添えられた「童画」を芸術の領域にまで高めた画家・武井武雄や、日本を代表する絵本作家の松谷みよこや画家いわさきちひろが疎開し、多くの作品を描いたこと、60年以上活動を続ける「信州児童文学会」など歴史的に絵本や児童文学を重んじる文化的土壌があります。さらに近年は、長野県の美しい自然に魅了された絵本作家や児童文学作家の移住も増えています。

※1 参照:平成27年度社会教育調査統計表(文部科学省)

美しい自然をとなりに、さまざまな物語に出会える長野県の美術館

さて、ひと口に〝児童文学にまつわる美術館〟といっても、その種類はさまざま。たとえば、絵本館では、絵を中心としてお話しが展開する〝絵本〟の原画展示など、童話館では、主に言葉を使って語り継がれてきた〝童話〟の世界観を伝える展示や朗読会、〝童画〟と呼ばれる挿し絵の原画展示などが行われています。また、これらの美術館では国内外の絵本や童話を収蔵していることが多く、その蔵書の一部を公開し、入館者が自由に手に取って読むことができるスペースがあるのも特徴。子ども連れだけでなく、大人の入館者にも人気です。

絵本美術館「森のおうち」のライブラリー。絵本から歴史書までずらり

作家の個性と自然美にふれる美術館

長野県ゆかりの絵本作家や童画作家にちなんだ美術館が多いのも長野県のならでは。冒頭で紹介した絵本画家いわさきちひろの作品を展示する「安曇野ちひろ美術館」や、武井武雄の「イルフ童画館」、フランス出身の挿絵画家レイモン・ペイネの作品を展示する「ペイネ美術館」、絵本作家さとうわきこが主宰する「小さな絵本美術館」などが一例です。各館では季節ごとに企画展が行われ、知られざる作品の紹介や、作家の思想に迫る資料など貴重な展示を観られるのが醍醐味です。

「安曇野ちひろ美術館」の撮影スポットで。子どもと楽しい思い出を

長野県ならではの美しい自然環境を生かした立地も魅力のひとつ。「絵本美術館&コテージ 森のおうち」や「軽井沢絵本の森美術館」は四季折々の自然が感じられる森のなかに、「黒姫童話館」や「斑尾高原絵本美術館」は清々しい高原に建っています。なかには子どもが走り回って遊べる広場や、カフェやレストラン併設の家族で一日楽しめる美術館もあり、天候に左右されずに出かけられるのもうれしいポイントです。

ギャラリー、カフェ、宿泊施設を併設する「森のおうち」(©️森のおうち)

大切な人にとっておきの一冊を

美術館めぐりとあわせて、児童書専門の書店へ足を運んでみてはいかがでしょう。松本市にある「ちいさいおうち」は、児童書の出版社に勤務していた本好きの夫婦が、「大好きな子どもの本の世界を直接読者に伝えたい」との想いから開いたお店。1980年の開業以来、絵本から洋書までさまざまな本を子どもとその親たちに紹介してきました。年齢別、テーマ別に探しやすく陳列された書棚には、長野県出身の作家の作品も数多く取り揃えられ、出産祝いやギフト、ご家族の記念日のプレゼント選びにもぴったりです。

そのほかにも、長野県内には本好きなら一度は訪れてみたい個性豊かな書店がたくさん。上田市の「なるに屋」、軽井沢町の「エホンゴホン堂」などがおすすめです。

子どもの本に詳しいスタッフが常駐する「ちいさいおうち」の店内

個性あふれる絵本館や美しい自然のなかに建つ美術館をめぐり、児童文学の世界観にふれる長野の旅。子どもと一緒に美しい原画を観たり、本を手に取って開いたりする時間は、親子の絆を深め、子どもはもちろん大人の情緒も整え、感性を磨いてくれることでしょう。 美術館の周辺の自然や、町の散策もあわせ、ぜひ家族みんなで笑顔あふれる休日を計画してみませんか。

北アルプスの山並みと調和する「安曇野ちひろ美術館」(©️安曇野ちひろ美術館)

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