銀河の中心を求めて (かつ)

2019.10.04 BLOG

こんにちは、かつです。

GR III発売日の少し前、高感度ノイズの記事を書いていましたが、GR IIIの高感度性能を試すには暗すぎる環境でした。そしてこの時は冬、多くの方々が大好きな「天の川銀河の中心方向(濃い天の川)」を撮るにはまだ早すぎです。
それから春が過ぎ、夏を迎えても自分の休み、天候、月齢という撮影条件が合わず、いつのまにやら9月末になっている。まずい、今年の濃い天の川が撮れてない・・・
今年は、日本全国の星空を撮る方々が天候に苦労しているようですね。

秋口になると夜の始まりの時間帯しか天の川銀河の中心付近が現れません。
そして、夜が始まったときに月が出ている期間を避けなければいけません。
こんな条件をギリギリ満たした9月27日(金)の夜、いつもの乗鞍畳平エリアにて、わずか20分程度の雲の隙間を突いてなんとか撮影することができました。
タイトル画像と同じ画像を少し大きめでごらんください。

ISO3200、F2.8、20sec、WB 4000K、フォーカス∞、手振れ補正OFF、ローパスセレクター強で撮影後、RAW現像でトーンカーブを調整しています。

さらに、天の川部分と画面左下の看板がある辺りを拡大して詳しくみてみましょう。

1枚目は、元画像の辺々を1/2程度でトリミングした後、掲載可能サイズまでリサイズしたした天の川部分です。2枚目はピクセル等倍で画面左下の看板部分をトリミングしています。

星景写真向きのRAW現像をして整えたからとはいえ、1枚目は天の川中心付近の様子がしっかりとわかりますし、暗部となる山肌の雰囲気も残っています。元画面左下を切り抜いた2枚目は看板の文字が読める精細さです。
トリミング前の元画像を思い出すと、風景よりは強い光があたっているテラスの人々(実際は隣の人の表情がわからないくらい暗いのですが)や近景が白とびしていませんでした。GR IIIは十分に広いダイナミックレンジをもっていることが分かります。

上の写真では天の川に雲がかかっていますが、わずかな期間、雲がかからない時間もありました。そのときの映像もご覧ください。撮影地点を変えているので、上の写真よりも天の川中心付近が山の裏に隠れています。

ISO3200、F2.8、30sec、WB 4000K、フォーカス∞、手振れ補正OFF、ローパスセレクター強で撮影後、RAW現像でトーンカーブを調整しています。

複雑な光源ではなくなったので映像がすっきりとしました。
いくらか暗い地点に移動した分、シャッター速度は30秒とすこし長くしています。

GR IIIはAPS-Cサイズセンサーを搭載したカメラとして十分な高感度性能があることが良く分かりました。色もよく再現できていると思います。これはもう星空を撮るときにGR IIには戻れません!

この季節は、夜が深くなるほどに天の川が西の地平線へ沈んでゆきます。
9月初旬に撮影したものですが、こちらの作例も。

ワイドコンバージョンレンズあり(35mm換算 21mm)、ISO3200、F2.8、20sec、WB 4200K、フォーカス∞、手振れ補正OFF、ローパスセレクター強で撮影後、RAW現像でトーンカーブを調整しています。

この作例ではワイドコンバージョンレンズを取り付けていますが、その状態でも、GRらしく画面の四隅の星像がしっかりとしています。
35mm換算28mmという焦点距離は、星景写真の世界ではちょっと狭い画角と思う方もいらっしゃいます。そんなときには、ワイドコンバージョンレンズをつかうこともオススメです。

朝の薄明かりが始まる直前、夏の星座が沈んでいるこの写真の反対側では、既に冬の星座が昇ってきています。昨年10月末に掲載したこちらの記事の最後写真のような感じです。

暗い場所さえみつけられれば、星空のある風景写真は年中撮れます。
濃い天の川はまた来年、これから春までは冬の星座の撮影を楽しみたいと思います。

(かつ)

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